LIDトラスとは
在来軸組の上に2×4材によって構成されるトラスを載せる工法であり、そのトラスの名称です。LIDトラスを採用することにより、木造在来工法では実現することができなかった、最大約22mまでの大スパン空間を木造で容易に実現することが可能になりました。住宅はもちろん、特に広いスパンを必要とする倉庫・施設などにもご活用いただけます。
つのメリット
最大約22mスパンの大空間を実現
LIDトラスを採用する事で、木造在来工法による非住宅の課題であった大空間の実現が可能。工場からトラックで運べる最長約11mの分割したトラスを現場で繋ぎ合わせる事で最大約22mスパンの大空間が実現できます。
間取りの可変性 / 柱が不要
屋根の荷重は全て外周梁と耐力壁にかかるため、内部の壁や柱を取り除くことができます。柱のない大空間が確保されることで間取りの可変性が高く、用途変更時の設計自由度を上げることができます。
施工性
使用する躯体とトラスは、弊社工場で制作し搬入します。躯体は弊社軸組金物工法を使用するため、短時間での施工が可能。また、トラスは1本ずつクレーンで吊りあげて駆体に取り付けるだけ。特殊な工程が無いため、一般の建て方大工で施工が可能です。
強度計算・耐震性
LIDトラスでは、これまで数値化されなかった屋根構面の耐力を数値化することに成功。国の認定機関であるベターリビングによる評定も取得しています。また、構造検討に基づいた最小断面の2x4材で構成されるLIDトラスは剛性が高く軽量な小屋組みが可能なため、耐震性の高い建物が実現可能です。
耐久性
木造本来の耐久性を活かすことで、物理的な耐久性が実現。また、従来の木造在来工法は用途変更に伴う間取りの変更が容易ではなかったため建て替えが必要でしたが、LIDトラスを採用した木造非住宅はその必要がありません。その分耐久性を担保することが可能となりました。
コストメリット
LIDトラスを採用した非住宅は内部の柱、梁、火打などの部材が不要。更に、施工性も高く短時間での施工が可能なため、人件費も削減可能。鉄骨と比べても高いコストメリットを得ることが可能です。
バーチャル内覧
*画像をクリックすると建物内部を3D視点で内覧いただけます。
バレエ教室
約130平米(10 x 13m) /天井高:約4m(トラス頂点まで)、3m(壁)
1階は住宅、2階はバレエ教室の建物。子供たちがバレエをする場所として、天井が高く、木の温もりを感じられる空間になりました。
トラスを白に塗ることで、空間の圧迫感を軽減しています。
農業倉庫
約200平米 (10 x 20m) / 天井高:約6m
数軒の個人農家が共有して使用する農業用倉庫。
LIDトラスを採用することで、従来の木造倉庫では必要だった柱が不要となるため、大空間が実現できました。
店舗兼事務所
約198平米 (11 x 18m) / 天井高:約5m(トラス頂点まで)、3m(壁)
平屋の店舗兼事務所。大きな箱の中を作れば、あとは必要な箱を追加していくだけ。
トイレと給湯室の箱を用意して、それ以外は、柱や壁が一切無い大空間が広がる室内になりました。
倉庫兼事務所
約120平米 (9 x 13m) / 天井高:約5m
中二階付きの倉庫。奥に事務所も設置することで、空間をうまく使うことが出来ました。
事務所内のみ空調を入れるため、断熱材も入れています。車も停めるスペースの為、柱が不要になるLIDトラス工法を採用いただきました。
LIDトラスの特徴
認定
ものづくり大学 小野泰先生との産業連携の取り組みにより、国の認定機関である一般社団法人ベターリビングによる一般評定を取得。
トラスのスパン
最大スパンは約22mです。その場合は、トラスを2分割して搬入して、現場で合板ガセットを用いて、トラスを繋げます。
トラスのピッチ
トラスのピッチ(配置間隔)は227.5mm以上、500mm以下です。(一般的には455mmとなります)
対応建物
木造在来工法による一般住宅、大型も含む倉庫や店舗などの非住宅など。
対応可能な屋根
LID工法の屋根は特別な屋根の形状をいうのではなく、寄棟、切妻、片流れ等、あらゆる形の屋根にも対応出来ます。