「木造×大空間」が店舗開発の可能性を広げる

村上厚資様 株式会社ワークスワークス 代表取締役社長
建築や空間のデザインから施工までを一貫して担う体制を強みとし、数々のプロジェクトをお客様とともに形にしてきた株式会社ワークスワークス。今回は、自社グループでインドアシミュレーションゴルフ施設「GOLF NEXT 24」を展開する同社の村上厚資 代表取締役社長にインタビュー。
LIDトラス工法がどのような役割を果たし、店舗展開の最適化に寄与しているのか。設計者と経営者、双方の視点からお話を伺いました。

設計者と経営者、2つの視点から辿り着いた「つくり手としての責任」

村上社長はデザインの世界からキャリアをスタートされたそうですね。建築に対する現在の考え方は、どのような経験から形作られたのでしょうか。

大学でデザインを学び、空間デザイン事務所でキャリアをスタートしました。当時は華やかなパースを描き、提案を評価されることに喜びを感じていましたが、実務を通じて、優れたデザインであっても、建築基準法などの法規制や、何より現実的な予算を無視しては形にならないという大きなジレンマに直面したんです。
その経験を通じて私が強く心に刻んだのが、「設計は予算に対して無責任であってはならない」という思いでした。どれだけ美しい図面を書いても、見積もりが予算を大幅に超えてしまえば、結局はやり直しや妥協が生じてしまいます。私は、お客様に最高の提案を「事業として成立する適正な価格」で提供したいと考え、独立して現在(株式会社ワークスワークス 代表取締役社長)に至ります。

株式会社ワークスワークスの東京本社オフィスにて

LIDトラスとの出会い

LIDトラスを採用されたきっかけと、その時感じた可能性について教えてください。

きっかけは、偶然目にしたInstagram (@lidtruss) でした。当時、弊社グループの「GOLF NEXT 24」を展開する上で、いかに事業としての優位性を築き、効率的かつ魅力的な店舗をつくっていくかが大きな課題だったんです。出店コストやデザイン性をクリアすべく、それまでは軽量鉄骨(プレハブ)での施工を検討していましたが、思うように収まりが良くならず、他に良い選択肢はないかと模索していました。
そんな中、LIDトラス工法の汎用的な部材を組み合わせた繊細な構造を見た瞬間、直感的に「これならいける」と感じました。特殊な部材に頼らないこの合理的な仕組みなら、ゴルフ施設に不可欠な「柱のない大空間」を、より身軽に実現できるのではないかと考えたのです。

実際に導入してみて、事業を推進する上での実感はいかがでしたか。

大きかったのはコスト面ですね。軽量鉄骨で建てるよりも全体の支出を約20〜30%抑えることができました。
今回のゴルフ施設のように 200 平米を切る規模であれば、構造計算書の提出が必要ないため、確認申請の手続きがとてもスムーズなのもメリットを感じました。
また、LID トラスは外壁の仕上げや防水処理も効率的に進められるため、大幅な工期の短縮にも繋がりました。将来的に用途変更したり、万が一解体したりすることになっても、鉄骨造に比べて圧倒的に手軽で扱いやすい。これも大きなメリットだと実感しています。

GOLF NEXT 24 ユーカリが丘店(LIDトラスを採用)

在来工法の壁を越えた、LIDトラスの適応力

これまでの事例で、特に印象に残っている活用例はありますか。

現在、「GOLF NEXT 24」は6店舗でLIDトラスを採用しています。
その中でも、仙台錦ケ丘店(仙台市青葉区)で手がけたフランチャイズ店舗の事例は象徴的でした。オーナー様は自社に建設部門を持つデベロッパーでしたが、自分たちが得意とする在来木造では、ゴルフ施設に求められる天井高や柱のない大空間をどうしても実現できずに悩まれていました。
そこで私たちがLIDトラスを提案したところ、懸念されていた設計条件がクリアされ、スムーズに採用が決まりました。在来工法では難しかった天井高と広さの両立が、LIDトラスを採用することで可能になりました。

「隠す・見せる」を自由自在に使い分けるデザインの振り幅

今回のゴルフ施設では、トラスの構造をあえて「見せない」デザインを採用されていますね。

はい。ゴルフ施設では天井を張ることで、あえて構造体の力強さを感じさせない、洗練されたモダンな空間を目指しました。構造美を見せる「現し(あらわし)」も魅力ですが、構造の強度はしっかり活かしつつ、内装の自由度を確保できる点にLIDトラスの懐の深さを感じています。
また、建物の用途やブランドのトーンに合わせて、「見せる・隠す」を自在に使い分けられるデザインの振り幅は、建築主(オーナー)にとっても大きな武器になりますよね。

「真の品質」を届けるために。多様な知見を結集する一貫体制

最後に、村上社長がこれからのビジネスにおいて、最も大切にしていきたい想いをお聞かせください。

私たちワークスワークスは、建築や空間の企画・デザインから施工までを、一貫して自社で担う体制を最大の強みとしています。
今回お話ししたLIDトラスの活用も、私たちのそうした体制や思想があってこそ、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができました。どれだけ合理的な仕組みであっても、ただ導入するだけでは意味がありません。コンセプトや企画の提案から、緻密なおさまりや気遣いが求められる現場まで、すべてのプロセスにこだわり抜くことが重要です。プロジェクトの規模や性質を問わず、社内に存在する多様な知見と技術が一つに結集すること。それこそが、私たちがお客様へ提供する「真の品質」に直結すると確信しています。

多様なプロフェッショナルが集う株式会社ワークスワークスのオフィス環境
村上厚資様

村上厚資様

株式会社ワークスワークス 代表取締役社長

大学でデザインを学び、空間デザイン事務所にてキャリアをスタート。30代で独立し、マンションモデルルームの企画・施工を専門とする会社を創業。その後、M&Aを経て多様な専門性を持つプロフェッショナル集団「株式会社ワークスワークス」に合流し、2026年4月に代表取締役社長に就任。
「設計は予算に対して無責任であってはならない」を信条に、企画・デザインから施工までを一貫して担う体制のもと、事業として成立する適正な価格で最高の提案を届けることを追求し続けている。

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